販売元: ホワイトハウスタウン
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スモールジャガーで英国プレミアムサルーンの世界を手に入れる高級車ジャガーに初めて登場したコンパクトセダンのXタイプ。フォード傘下に入った1990年以降、メカニズム面では独自性が薄まった同ブランドだが、その英国車らしさは今でも不変だ。 ヒストリーPart1 「ジャガーXタイプとは?」フォード車と車台を共有するスモールジャガー1990年に米国フォード傘下に入ったジャガーは生産体制や品質を近代化するため、従来のXJシリーズ(XJ40系)に代えて、94年に新しいXJ(X300系)を投入。98年にはフォードグループの高級車リンカーンLSとシャシーを共有するジャガーSタイプを登場させた。これに続くのが2001年2月のジュネーブショーで登場した今回のXタイプだ。日本では同年9月に発売された。シャシーはフォード・モンデオと共有するが、生産はイギリス・リバプール近郊のヘイルウッド工場で、部品共有率は20%に過ぎないという。当初、日本には4WDの2.5および3リッターが上陸。翌年5月にはFF・2.1リッターの「2.0 V6」が追加され、ジャガー初の300万円台モデル(税別365万円)となった。ちなみにXタイプはジャガーにとって初の4WD車でもある。2003年末のマイナーチェンジではグレードを再編したほか、外装(クローム類やアルミホイールのデザイン)や内装(ウッド素材の変更や装備の充実、静粛性の向上など)を見直した。また、このほかにも装備を充実させた様々な限定モデルが登場している。ヒストリーPart2 「Xタイプのモデル変遷」エステートモデルも登場2004年7月には同じくジャガー初となるステーションワゴン「Xタイプ・エステート」を発売。駆動系はサルーンと共通だが、Bピラーより後ろが専用ボディで、ルーフレールをはじめ570点以上の新設計パーツが与えられた。ガラスハッチやパーティションネットの装備など使い勝手に優れた荷室や4輪駆動システム(2.5リッター)を備えるなど、雰囲気だけでなく実用性に富むのが特長だ。ボディーサイズ&デザインXJをコンパクトに再現ボディサイズは全長4685mm×全幅1790mm×全高1420mm。全幅は大きく5ナンバー枠をオーバーするが、実物はコンパクトに見える。また、実際に運転席に座った状態でもそう感じるから、運転に自信がない人でもすぐに気後れせず走れるはずだ。 ホイールベースはモンデオの2755mmに対して45mmも切り詰められた2710mm。シャシーを共有すると言っても、モンデオとの共通部分はフロントサスペンションを含むフロントセクションやエンジンブロック、その他は細かいパーツのようだ。リアサスペンションはいちおう独自の設計とされている。 スタイリングは歴代XJシリーズをそのまま縮小したよう。特に写真では一瞬どちらか判別がつかないほど、そっくりに見える時がある。限られた寸法でジャガーの伝統的なスタイルをうまく再現しているのは見事。また、曲線の多いボディパネルにメッキを多用した英国調の演出がさまになるのもジャガーならでは、と言える。室内の広さやトランク容量を確保しつつ優美なスタイリングとするために、様々な工夫が施されている。インテリア&ユーティリティー英国らしいインテリアインテリアもXJのモチーフをそっくり踏襲する。高級感といった点は価格相応だが、ふんだんに使われた本物のウッドパネル、グリーンの照明で照らされるメーター、伝統のJゲートから突き出すウッドシフトレバーなどジャガーらしく、英国車らしいモチーフをもれなく備える。なお、日本導入2年目以降のXタイプには基本的に全車DVDナビが装備されたが、初年度の2001年時点ではまだオプションだった。絶対的な広さではなく雰囲気の後席ルーフが回り込むため、ややタイトなリアシート。足元のスペースもギリギリで、フロアトンネルの出っ張りも大きく、実質的に大人4人乗りでちょうどいい感じだ。雰囲気や乗り心地は良いのでパーソナルな使い方なら不足はない。もともとジャガーは広さを売りとせず、スポーティなスタイルと走りを重視してきたという伝統は知っておきたい。トランクはジャガー史上最大の452リッターを確保。ということは、あのXJシリーズ(X300系以前)や現行Sタイプよりも大きいということだ。ジャガーの低くて絞り込んだスタイリングはトランク容量と相反するが、数字的にはCクラスや3シリーズと同等となる。マイナス要因としては、天地が浅く、深い奥行きで容量を稼ぐタイプであること。トランクスルー機能もないからあまり大きな荷物は積めない。 試乗インプレッショントルキーな3リッター。スタビリティも高い試乗車の3リッターV6(234ps、29.0kg-m)はSタイプからの流用だが、縦置きから横置きに変更され、出力もS-TYPEより9psと1.6kg-m低い。5速ATはJATCO製、32ビットのエンジン制御システムはデンソー製と、日本製パーツが多く使われる。Xタイプ全般に言えるのは、ボディの見切りが良く、運転しやすいこと。最小回転半径も5.3mと小さい。3リッターエンジンは排気量から想像されるほど強力ではないが、5ATとのマッチングはよく、ドライバーが意図した通りの加速を見せる。Xタイプには2.0、2.5、3.0、そしてエステートまで全て新車デビュー時に試乗しているが、2リッターはトルクがやや細く、その点に限れば今回のような3リッターモデルは問題ない。毎回不満に思うのは、インパネにシフトポジションが表示されない点。Jゲート左側のマニュアルセレクター(奥から2-3-4と直線上に並ぶ)に節度感がないのも不便だ。ただし、これは慣れればブラインド操作が可能で、シフトレバーを一番下にすればD、左に動かせば4速、そこから真っ直ぐ奥に押せば2速、引き寄せれば4速、その中間が3速となる。4WDでスタビリティを確保デビュー当時の試乗では、前ストラット、後マルチリンクの足回りが固めに感じられたが、4万2000km走行の今回の車両ではフリクションが取れたせいか、あるいはほどよく?ダンパーが抜けたせいか、乗り心地はソフトだった。一方で、コーナーや急なレーンチェンジなどではロールが大きく、接地感も若干低下していた。シャキッとした走りが欲しい人はダンパーやタイヤをリフレッシュしたくなるかもしれない。しかし、ビスカス・カップリングで前後40:60にトルク配分する4WDが幸いして、実用上のスタビリティは十分。トルクステアもほとんど出ない。コーナーでも軽快で、4WDらしいオンザレール感が楽しめる。試乗車スペック主要緒元&価格【車名】 JAGUAR X-TYPE 3.0 V6 SE【型式】 GH-J51WA【寸法】 全長4685mm x 全幅1790mm x 全高1420mm【ホイールベース】 2710mm【車重】 1620kg【駆動方式】 フルタイム4WD【エンジン】 3.0リッターV型6気筒DOHC【最高出力】 234ps/6800rpm【最大トルク】 29.0kg-m/3000rpm【トランスミッション】 5AT【使用燃料/容量】 プレミアムガソリン/61L【10・15モード燃費】 7.4km/L【タイヤ】 205/55R16【発売時期】 2001年9月【当時の新車価格】 525万円(消費税抜き)試乗車スペック【初年度登録】 2001年【販売価格】 254.1万円(消費税込み) ※AP保証付(12ヶ月間 距離無制限)【走行距離】 42000km【ボディカラー】 プラチナ(シルバー)【試乗日】 2005年10月【試乗車ページURL】 http://item.rakuten.co.jp/autoplanet/0507174/チェックポイント史上もっとも信頼性に富むジャガー機関については特別な心配は不要だろう。基本的にタフなクルマであり、新車から3年間はメーカーの無償サービスでそれなりにメンテナンスされてきたはずだから、コンディションはおおむね悪くないはず。特に2年目以降の2.0、3年目以降のマイナーチェンジモデルの完成度は高く、ジャガー史上もっとも信頼性に富むモデルと言っていい。随所に使われた日本製パーツの多さがそれを支えているようだ。ただし日本車並みといかないのは確かで、初年度の4WDモデルはビルドクオリティにばらつきがあるようだ。また、生産時期の新しいものは冷却系に注意が必要。しかしこれも一度修理すれば問題なく、市場にあるものはほぼ大丈夫だろう。一番古いモデルでも現時点(2005年11月)では4年落ちに過ぎないが、今回の試乗車のように4万km以上走行した車両では消耗品のリフレッシュを一通り行いたい。チェーン駆動のエンジンは一般的な消耗品の点検と交換くらいで良いが、足回りのダンパーなどは思い切って交換してもいいだろう。リコール関係では、方向指示器の制御ユニットプログラムの不具合によって、方向指示器が点滅しなくなるおそれがあるという届け出が2003年6月にされている。市場のほとんどの車両は対策済みと思うが、一応覚えておこう。 アドバイス200万?300万円あたりが旬2001年9月以降のモデルなので、Uカーでも200万円以下のクルマはほとんどない。年式で言えば2003年頃まで、相場なら230万円中盤から300万円前後がUカーとしての旬だ。お勧めは2.0 V6。予算が許せばもちろんそのエステートでも良い。レザーシートが希望なら2.0 V6 SEに絞ってもよいだろう。新車価格が安いからUカーでも価格は手頃だし、何より軽快感のある走りがいい。乗り心地や快適性、高級感の点でも上級モデルと大きな差がない。一方、走行距離によっては廉価な2.0より最上級車の3.0SEが安くなることもあり、これはUカーならではのメリット。装備は当然2.5や3.0の方が充実している。パワーにも余裕があり、特に高速道路で先を急ぐときは心強い。もちろん4WDも悪天候や雪道では大きな武器となる。また、内装の雰囲気はXタイプの重要な要素。内装色や木目パネルの色は数多く種類があるから、実車を見ながらこだわってみたい。 スタイルと性能がジャガーの魅力最後に、ジャガー=高級車というのは間違いではないが、戦後創業したばかりのジャガーが人気を得たのはアストンマーチンの半値で同等の性能とスタイルを備えていたから、という経緯もウンチクの一つとして覚えておきたい。その半世紀後、フォード流の合理化やマーケティングから生まれたXタイプだが、サイズといい価格といい、英国のサルーンに魅力を感じる人にとっては、今や最も現実的な選択肢だ。クラシカルなデザインは、あくまでもジャガーの伝統に則ったものだし、英国のライフスタイルやファッションブランド、カルチャーが好きな人にとっても、MINIなどと共に心引かれる一台だろう。そういった意味では、信頼性の上がったジャガーは多くの人にとって待ちに待った理想のジャガー。エンスージャスト(熱狂的なクルマ好き)はともかく、そうではない多くの人にはXタイプに乗って英国を少しでも身近に感じてもらえれば良いと思う。